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眠れない夜

夜中に暑くて目が覚めると、エアコンのタイマーが切れていたのでエアコンをつけてまた寝る。しばらくして寒くて目が覚めて、タオルケットにくるまる。それでも寒くてまた目が覚めて、エアコンを消す。夢を少し見ては目が覚める。

眠りが浅いのだ。なぜ眠れないのかはわかっている。明日は元夫と子供達が泊まりがけで旅行に行くので、元夫が朝5時に子供達を迎えに来るのだ。子供達はまず起きないので寝たまま引き渡すのだが、5時に迎えに来るのなら私は4時半に起きて子供達に持たせる荷物の最終確認をしなくてはならない。それに、対峙するのに注意を要する相手に対して、寝起きの状態で会いたくない。そんな緊張感から眠りが浅くなっている。明日が休日ならば寝ないで起きていてもいいのだが、そうではないので無理矢理眠ろうとして、浅い眠りを繰り返す。
 
4時半に目覚まし時計のアラームが鳴って飛び起きる。顔を洗い、窓を開ける。息子が入れておいてと言っていて寝る前まで遊んでいたゲーム機と充電器を息子のリュックに、娘が入れておいてと言っていて昨夜洗濯した服を娘のリュックに入れる。水筒に麦茶を入れる。荷物を玄関前の廊下にまとめる。
ここまで終わったがまだ時間が余っているので、家事に取りかかる。洗濯機を回す。食洗機の中の食器を片付ける。昨夜使ったコップを洗う。ダイニングの椅子の上に置きっぱなしになっていたホットプレートをしまう。
 
4時59分に元夫から着きました、とメッセージがあったので子供達と荷物を引き渡す。
会話が最小限で済むように私は細心の注意を払って話す。
「荷物はこれで全部」
「明日の、だいたいの帰りの時間は?」
(夜だけど大丈夫だろ)「大丈夫」
 
元夫が車のドアを閉めると私は部屋に戻り、玄関のドアを閉める。元夫の車の音が遠ざかることを確認して、鍵をかける。
安心した私は眠くなって、洗濯機の中で回っている洗濯物なんかどうでもよくなって、早朝の柔らかい光と虫の声の中で7時までぐっすり眠った。
また目覚まし時計のアラームで目が覚めて、今度の眠りが一瞬だったことに驚きながら起き上がる。
よく寝た。一日はこれから始まる。