叫び出したいような!

8月の後半に実家に帰っていたのだが、最近は実家といっても自分の実家ではなくて母の実家に行っているのである。実家がキライなのもあるけど、母の実家には祖母が一人で住んでいて母も週の半分はそちらに行っているので、そっちに来いと言われるし。ということで何日か滞在していました。新潟県の三条なんだが、最近は市長効果なのかスノーピーク効果なのか三条のオシャレ化がすごくて、最近できた道の駅保内に行ってきたんだけどオシャレすぎてトイレの男女表記がわかりづらく、トイレ入った手洗いスペースのオシャレな天井近くの壁に大きな字で「女性用」とか貼り紙がしてあるのに笑ってしまいました。どうせならトイレ入る前の壁にわかりやすく貼ればいいのに、そこは譲れないんだろうか。閑散とした庭園に大音量で音楽が流れていて、なんだか花博を思い出しました。何年か経ったとき、どんな味わいの施設になるんだろう(いい湯らていのゆるさは好きだよ!)。椅子がたくさんあってあらゆる場所でくつろげるし、カフェではすごく丁寧にコーヒーを淹れてくれるし、いいところですが。

ていうか新潟はオシャレだよねえ。

 

実家に滞在していると「家事を自分が主となってやらなくていい」状態なので、ようやく「読書でもするか」という気持ちが生まれてくるのである。そこで読んでいたのが、母が図書館から借りてきていた『暮しの手帖』と、「時間があったら読めるといいな」と思って自分の家から持って行った『明るい夜に出かけて』。 

暮しの手帖 4世紀77号

暮しの手帖 4世紀77号

 

潮田登久子さんって「すてきなあなたに」に書いてるんだ!っていうか今の「すてきなあなたに」って複数人で書いててどの記事を誰が書いたか書いてあるんだ!ということを今さらながら知った。

 

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて

 

「読めるといいな」どころか、読み始めたら一気に読んだ。素晴らしい青春小説!ラジオ!アルコ&ピースのオールナイトニッポン!私は別にアルピーさんのラジオのリスナーではないけれど、読んでいて楽しかった。青春小説、というのは、主人公の富山くん(大学休学中、コンビニバイト)はある出来事から人と関わることを極端に避けているんだけど、才能はあるのである。そんな彼を引っ張り出してくれる仲間がいて、仲間との関わりを通して一歩を踏み出す…となればそれはもう青春以外の何物でもないのである。

ある出来事とは何なのかは、読み始めて割とすぐに明らかになるのだが。そういう出来事って誰にでもあるものなのでしょうかね。私は「あの出来事」に重ねて読みましたよ。あれですよあれあれ!学童の保護者会の役員をしていたら年度末に突然糾弾され、誤解は解けたものの腫れ物扱いという。

 

これこれ。

 

この時点ではこんなにお気楽だったのに…

 

「自分のやり方に良くない点もあった」というのは当然のことであるのだけど、自分を責めすぎてしまったり。あと「その件について語りたくない」様子がまるで自分を見ているようだった。

富山に才能があることより、おせっかいで気のいい友人永川がいることがうらやましい。なかなかいねーからな!ナガカーみてーなやつは!いねーから、私はそこに留まり続けることを選んで、今もそこにいるわけだけど。そして2年たった今思うのは、「あれ?あの時いた人たち、いなくなったな?」ということ。保護者の付き合いなんてそんなもんだ。そして私は、私なりに今の代の人に伝えられることを伝え続けているよ。

 

読み終えて思ったのは「自分が欲しいと思ったものは、自分で手に入れるしかないのかな」ということ。それは人間関係だけではなく、もっと人生のいろいろな部分で。この本がそれを言っているのかはわからないけど、自分と照らし合わせてそう思った。だから今は「手に入れてやるぞー!」という気持ちになっている。

 

対談バックナンバー | 波 -E magazine Nami-|Shincho LIVE!(新潮ライブ!)| 新潮社のデジタルコンテンツライブラリー

『波』に載ってた作者佐藤さんとアルピーさんの対談が面白くて、ずっと気になってたんですよ。「実際の放送がかなり盛り込まれた小説」について他ならぬ自身が語る、という!小説を読み終えてからまた読むと、さらに面白い。